第1章では、検索エンジンを「ランキング順位によって競合サイトとシェアを奪い合っている市場」と捉え、ランキングを取り巻く3つのプレイヤーを理解する事が重要だと言う事をお伝えしました。
先日、ブログアクセスアップのセミナーに参加し、懇親会などでも色々な話をさせて頂きました。 その中で気になったの…
www.empowerments.jp
この前提を元に、検索エンジンの目的である検索ユーザーが満足する答えを提示するという視点から逆算していけば、
- どんなキーワードで検索されているのか
- そのキーワードに対して、どんなコンテンツを作れば良いのか
が自然と予想できてくる。
その事前調査として、
- どの位の人が(検索ボリューム;母数)
- どれくらい強く(ニーズ強度)
- どんな答えを求めているのか(ニーズ)
のヒントを得たり、シェア獲得の精度を上げるためにキーワード選定法が存在しているのだとお伝えしましたね。
以上を踏まえ、今回は予告通り「キーワード調査ツール」について見ていきたいと思います。
キーワードリサーチツールは特性の理解が重要
キーワードリサーチツールにどんな物があるか調べたい場合「キーワードリサーチ」とか「キーワード調査」で検索すると、色々なサイトに様々なリサーチツールが見つかりますよね。
ただ、大半のサイトでサジェスト系とキーワードプランナー系、下手したらGoogleウェブマスターツールまで同列に扱われてるのをみると、色々とツッコミ入れたくなってしまいますw
それぞれのツールには、それぞれの特性がありますし、その特性を活かした活用シーンも異なってきますので、各ツールの特性を踏まえた上で活用する事が大事です。
概念図の解説
各ツールの特性の理解を深めて頂くためにも、まず前回お示ししたキーワードリサーチツールの概念図について見ておきましょう。
その概念図がこれでしたね。
四角は各ツールを示しており、それぞれの略号は以下の通りです。
- GA:Googleアナリティクス
- WMT:Googleウェブマスターツール
- KP:キーワードプランナー
- GS:グーグルサジェスト
また、2つの円で、サイト内、サイト外に区分していますが、これらは、
- サイト内:サイトでシェアを獲得できているキーワード
- サイト外:キーワード全体(この位置のツールは主にシェアを獲得できていないキーワードを調査するのに使う)
を表しています。
※Googleウェブマスターツールは両方の円の境界線上に記載されていますが、これが非常に重要なポイントになってきます。
それでは、各ツールについて見て行きます。
なお、全てのツールを網羅すると非常に長い内容となってしまいますので、本章ではまずは前編としてサイト内の領域をカバーしているGoogleアナリティクス、Googleウェブマスターツールの2つのツールについて見て行きたいと思います。
Googleアナリティクス:効果測定ツールの決定版!
まずはGoogleアナリティクスです。
Googleアナリティクスはサイト内のアクセス解析ツールとして定番ですよね。
なのでサイトを運営されている方なら細かく説明するまでも無いと思いますので、キーワード調査ツールの特性という視点で簡単に説明させて頂きますね。
Googleアナリティクスのキーワード調査ツールとしての特性
Googleアナリティクスの特性を一言で言えば、
サイトに集客した後のKPIの測定に優れている
という点に尽きます(※ここでは「KPI = 成果が出ているかどうかを示す指標」と考えて下さい)。
例えば、
- どんなキーワードで集客した訪問者がサイト内のコンテンツをどれくらい見たのか(回遊率)
- どんなキーワードで集客した訪問者が成約したのか(成約率または成約数)
- どんなキーワードで集客した訪問者がユーザー登録したのか(登録率または登録数)
などなどをサイト内で追いかける事ができます。
(要は美味しいキーワードかどうかという事ですねw)
ただし、Googleが2013年の夏ごろから検索のSSL化(暗号化)を拡大したため、現在ではキーワード情報が(not provided)となり、ほぼ取得できない状況ですので、キーワード調査ツールという視点では実に弱いツールとなってしまいました。
Googleウェブマスターツール:唯一無比!現在、最も重要なリサーチツール
次はGoogleウェブマスターツールです。
Googleウェブマスターツールはサイトの運用を手助けをしてくれる様々な機能を搭載したツールですが、キーワード調査ツールという観点で活用するのは「検索アナリティクス(旧名:検索クエリ)」となります。
ちなみにGoogleウェブマスターツールをキーワード調査ツールという視点で見ると、
これを使いこなす気が無いならキーワード調査なんて辞めちまえ!
と言いたくなるくらいの神ツールですw
Googleウェブマスターツールのキーワード調査ツールとしての特性
僕がそう言い切る理由はただ1つ。
検索市場を取り巻く3つのプレイヤーの関係性が全て見えるから。
これに尽きます。
(この辺はWeb集客を請負っている超有名サイトでも殆ど言及されていないという謎w)
キーワード群の収集や検索数の推定などは次章以降で解説する様々なツールを使えばOKですし、成約率やサイト内の回遊性などを測るにはGoogleアナリティクスを活用すれば良い訳です。
でも、その間にあるマーケティング(集客)指標の測定、例えば、
- 検索需要の実態はどうか(表示回数 ※ただし検索結果のトップページに乗らなければ需要の総量は解りませんがw)
- 競合に勝てているのか(平均掲載順位)
- どの位のキーワードがカバーできているのか、あるいは出来て無いのか(クリック数)
- ニーズ強度はどれくらいか(平均掲載順位とクリック率)
といった市場との関係性を俯瞰できるツールは、今のところウェブマスターツールしか見当たりません。
言い換えれば、現状ではGoogleアナリティクスとその他のリサーチツールの溝を埋めるツールはGoogleウェブマスターツールしか無いという事ですね。
検索アナリティクスは宝の山
以上の特性さえ理解していれば過去に公開したコンテンツ全てからマーケティング(集客)指標の測定が可能だという事が解ります。
もし今まで検索アナリティクスを活用していなかったという場合は1度確認してみて下さい。
もしかしたら、
- 結構な検索数がある
- 上位表示も可能
そんなキーワードがごろごろ見つかるかも知れませんよw
(検索アナリティクスは、まさに宝の山ですね)
※Googleウェブマスターツールのキーワード調査ツールとしての使い方については、このシリーズでも言及したいと思いますが雰囲気だけでも掴みたいという方は、少々内容は古いですが次の記事を参照下さい。
参考:Googleウェブマスターツール活用できてる?アクセスアップのために見るべき4つの項目とその見方、教えます。 | ブログのちから
最後に
以上、今回はGoogleアナリティクス、Googleウェブマスターツールの2つを見て行きましたが如何だったでしょう?
特にGoogleウェブマスターツールはキーワード調査ツールとして非常に重要な位置付けにあるという事がご理解頂けたのではないでしょうか。
ウェブマスターツールの活用方法を身に付ける事ができれば、
- テストマーケティング的にコンテンツを公開して実態調査したり
- その結果から極ウマキーワードを発見したり
- SEOスキルと組み合わせる事で多少厳しいキーワードでも上位表示したり ※限度がありますのでご注意下さいw
といった事が実際にできる様になってきます。
(こんな事、サラッと書いちゃって良いのかな?w)
という訳で、まずは是非ウェブマスターツールの活用方法をマスターして下さいね。
以上、参考になれば幸いです。