2018年3月にモバイルファーストインデックス(MFI)がリリースされて以降、各サイトに順次適応されていってますね。
参考:検索エンジンとSEOの歴史 ~90年代から現在まで~ | ブログのちから
もう通知は届きましたか?
ここのところ、僕の周りでもモバイルファーストインデックスに移行したサイトが増えてきました。
そこで今日は改めて、モバイルファーストインデックスについてまとめておこうと思います。
モバイルファーストインデックス(MFI)とは?
まずは、モバイルファーストインデックスについて見ておきましょう。
モバイルファーストインデックスが導入された背景として、
- これまではパソコン向けページとモバイル向けページが異なっていたり、モバイル向けページが無かったりして、モバイル端末では上手く表示できないケースが散見していた。
- 近年のモバイルユーザーの増加。
があります。
そこでGoogleはモバイルユーザーに向けたアップデートをいくつか実施してきました。
例えば、
- モバイルフレンドリー・アップデート
- スピード・アップデート
などがありますよね。
モバイルファーストインデックスもその1つで、「パソコン向けページとモバイル向けページが異なっていたり、モバイル向けページが無かったりして、モバイル端末では上手く表示できないケース」に対応する施策です。
モバイルファーストインデックスを正しく理解するためには「Google検索エンジンの仕組み」と「Googlebot」と言われる情報収集の仕組みを知っておく必要があります。
Google検索エンジンの仕組み
Googleの検索エンジンは、以下の流れで情報を収集し検索結果を返す仕組みです。
- ページの発見=リンク(サイトマップも含む)
- ↓ クロール:情報の取得
- ↓ インデックス:データベースへの登録
(インデックス=百科事典の索引の様なもの) - ↓ 検索結果の配信:インデックスから関連性の高い情報を結果として返す
※クロール~インデックスは何度も行われる(ページが更新されることもあるので)
モバイルファーストインデックスと2つの Google bot
モバイルファーストインデックスは、上記のGoogle検索エンジンの仕組みのうち、
- クロール(情報の取得)
- インデックス(データベースへの登録)
に関わるアップデートです。
クロールは「Google bot」と呼ばれるシステムがリンクを辿りながら情報を収集しますが、この「Google bot」には、
- パソコン向けページ用
- モバイル向けページ用
の2種類が存在しています(Two Googlebot と言われます)。
これまではPC向けが「主」、モバイル向けが「従」という関係でした(インデックスにはPC用を登録していた)。
これを、モバイル向けを「主」、PC向けを「従」という具合に主従関係を逆転させたのが、モバイルファーストインデックスというアップデートです。
モバイルファーストインデックスで何が変わるのか
なので、具体的に何が変わるのかというと、
- これまでは、パソコン向けページの内容をインデックスに用いていた(スマホからの検索であったとしても)
- これからは、モバイル向けページの内容をインデックスに用いる(パソコンからの検索であったとしても)
ということになります。
モバイルファーストインデックス(MFI)の影響は?
上記からもお解りの通り、モバイルファーストインデックス(MFI)で影響が出るとすれば、パソコン用のコンテンツとモバイル用のコンテンツが異なる場合。
例えば、モバイル向けページで以下の状況がある場合に影響が出ます。
- コンテンツを省略している場合
- 構造化データが欠落している場合
- メタデータが欠落している場合
などのように、PC 向けページに存在する内容をモバイル向けページで省略している場合、PC向けページだけに含まれてるキーワードなどは評価されずインデックスから外れることになります。
モバイルファーストインデックス(MFI)の対策は?
では、モバイルファーストインデックス対策に何をすれば良いの?という所ですが、
レスポンシブウェブデザイン(RWD)で構築されたサイトであれば、基本的に対策は必要ありません。
というのが答えです。
(パソコン向けページとモバイル向けページは同じコンテンツなので)
レスポンシブデザイン対応済みのサイトでも、モバイル向けに サイドバー や メニュー などを省略している場合はどうなるのかが気になりますが、以下の情報もありますので、メインコンテンツ以外の影響は余り考えなくても良さそうですね。
基本的には評価は変わらないと思います。
— Kazushi Nagayama | 長山一石 (@KazushiNagayama) 2016年11月5日
他に違いが出るとしたら広告比率くらいでしょうか。
(アドセンスでモバイル向けのオーバーレイとか)
まぁ、モバイルファーストインデックス自体が「インデックス系」のアップデートなので広告比率によってそこまで影響が出るとは思えませんが。
(影響があるとすれば別のアルゴリズムによるものですねw)
モバイルファーストインデックス(MFI)に切り替わるのは、いつ?
ちなみに、モバイルファーストインデックスに切り替わるのはいつなのか?ですが、これはサイトごとに異なります。
2018年3月にモバイルファーストインデックスが告知されて以降、各サイトに順次展開されていっています。
その際、Search Consoleに通知が来ますので、自分のサイトやブログがモバイルファーストインデックスに切り替わったかどうかは、Search Consoleを確認すれば解ります。
(このブログは2018年9月19日に通知がありました)
結論:レスポンシブウェブデザイン(RWD)なら…
という訳で、最近のブログテーマなどは基本的に RWD に対応していると思いますので、基本的に特にやることはありません。
影響もほとんどありません。
モバイルファーストインデックス(MFI)とモバイルフレンドリー・アップデートの関係
モバイルファーストインデックス(MFI)と関係しそうなアップデートにモバイルフレンドリー・アップデートがありますよね。
その関係を見ておきましょう。
モバイルフレンドリー・アップデートについては、ウェブマスター向け公式ブログに以下の記述があります。
モバイル版の検索結果では、モバイル フレンドリーなページの掲載順位が引き上げられ、検索ユーザーは、小さなスクリーン上でも読みやすい、高品質で関連性の高い検索結果をより簡単に見つけることができるようになります。こういったページには、タップやズームなどをしなくてもテキストが読みやすい、タップ ターゲットの間隔が適切、再生できないコンテンツが含まれていない、横方向へのスクロールが発生しない、などの特徴があります。
また、次の記述も。
- 携帯端末での検索の掲載順位にのみ影響する
- 世界中のすべての言語で検索結果に影響する
- ウェブサイト全体ではなく、個々のページが対象となる
モバイルフレンドリー・アップデートのポイントは、
- ランキング要因として使われている。
- モバイルフレンドリーでなければ検索順位が下げられる可能性がある(検索意図やコンテンツの質による)
という点ですね。
参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ: モバイル フレンドリー アップデートを開始します
モバイルファーストインデックス(MFI)とモバイルフレンドリー・アップデートは互いに影響するの?
気になる互いの影響ですが、モバイルファーストインデックス(MFI)はあくまでインデックスに関わるアップデートで、ランキング系のアルゴリズムとは別ものです。
とは言え、競合するサイトが共にモバイルファーストインデックスに対応できているという前提であれば、モバイルフレンドリーな方が良い評価が得られるということになります。
モバイルファーストインデックス(MFI)とスピード・アップデートの関係
もう1つ、モバイルファーストインデックス(MFI)と関係しそうなアップデートにスピード・アップデートがありますね。
こちらの関係も見ておきましょう。
スピード・アップデートは、モバイル向けページの表示速度をランキング要因として使うアップデートです。
表示速度はこれまでもランキング・シグナルとして使用されていましたが、あくまでパソコン向けページの速度を対象としていました。
スピード・アップデート後は、モバイル向けページの表示速度が重要になってくるということです。
参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ: ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します
ただし、
- 現時点では非常に遅いページの場合のみ検索順位が下げられるというアップデートである点
- 何をもって表示速度が速い、遅いとするのかが曖昧な点
には注意が必要です。
モバイルファーストインデックス(MFI)とスピード・アップデートは互いに影響するの?
それでは互いの影響は?というと、こちらもモバイルフレンドリー・アップデートと同様、モバイルファーストインデックスとスピード・アップデートは別ものです。
スピード・アップデートで評価されるのはコンテンツでは無くあくまで表示速度。
とはいえ、コンテンツの省略などでページの表示速度は変わりますので、全く無関係とは言い切れませんが。
モバイルファーストインデックス(MFI)の まとめ
以上をまとめると、モバイルファーストインデックス(MFI)はレスポンシブウェブデザイン(RWD)なら対応や対策は基本的には気にしなくて良い。
また、モバイルファーストインデックス(MFI)には関係なく、
- モバイルフレンドリー・アップデート対策
- スピード・アップデート対策
は、やっとけ(SEO対策という以上にユーザビリティ的にw)。
という事ですね。
以上、参考になれば幸いです。