【タイトル】GRIT(やり抜く力)
【著者等】アンジェラ・ダックワース (著), 神崎 朗子 (翻訳)
【読了時間の目安】2時間~3時間
先日、こんなツイートをしたところ、思いのほか多くの反応を頂きました。
「失敗は成功の母」っていうけど成功の父は「継続」なんだよなぁ。
オカンも恐いけどオヤジもかなり厳しい。#厳格な両親— T.Murakami@日本は寒い (@SY_SI_Murakami) 2018年3月1日
そこで思い出したのが、本書『「GRIT(やり抜く力)』の存在。
けっこう前に読んでたんですが、そういえばどんな内容だったかな?と思い、読み返してみました。
『才能』は人生の成功に、あまり関係ない
僕たちは、「成功」と言えば「才能」と連想するくらい、才能を特別視している面がありますよね。
これに対して本書は「才能はそれほど重要ではない」と言います。
「情熱」と「粘り強さ」を持つ人が結果を出す. 過酷な試練や困難を乗り越え、目的を達成する。
そのためにもっとも必要なのは、生まれ持った才能でも、頭の良さでもありません。 「絶対にあきらめない」という態度です。
それを、様々な研究やデータを並べて解説してくれている訳ですが、僕の様な凡人は、「それでも才能がある方が有利なのでは?」と思ってしまいますがw
著者いわく、重要なのは「やり抜く力(GRIT)」だと言い切ります。
その理由は、、、
才能があっても、やり抜く力が強いとは限らない
(あ、確かにw)
『努力』は「二重」に影響する
更に、本書はこう続きます。
スキル=才能×努力であり、達成=スキル×努力である。
と。
要するに才能も達成の一部で「土台」にはなるんだけど、才能以上に努力が大事ってことですね。
『やり抜く力(GRIT)』とは何か
ちなみに本書のタイトルでもある「やり抜く力(GRIT)」とは、次の2つの要素から成り立つそうです。
- 情熱
- 粘り強さ
ちなみに、僕たちは「情熱」と聞くと「燃えるような熱い想い」を想像してしまいますが、本書でいう情熱とは次の様に表現されています。
多くの人は「情熱」を、「夢中」や「熱中」と同じような言葉だと思っている。
しかし、偉業を成し遂げた人たちに、「成功するために必要なものは何ですか?」とたずねると、「夢中でやること」や「熱中すること」と答える人はほとんどいない。
多くの人が口にするのは「熱心さ」ではなく、「ひとつのことにじっくりと長いあいだ取り組む姿勢」なのだ。
これについても最近、同様な感覚を感じたことがあります。
生川さんが「想い」って言葉を選んだのが凄く腑に落ちる。
「人生を通じてしたいこと」に出会うと、熱く燃え上がる「情熱」というより、小さく常に燃え続けてる「想い」って感じになるんだよなぁ。#岡ブロ— T.Murakami@日本は寒い (@SY_SI_Murakami) 2018年2月20日
この手の「情熱」を持つには何が必要なのか
ちなみにこの手の情熱を持つには何が必要なのか。
それも本書で解説されています。
ザックリ書くと以下の4つのステップです。
- 興味を抱く
- 実際に試す
- 積極的に掘り下げ、更に興味をかき立てられる経験をする
- 周囲の励ましや応援を貰う
そういえば、先日の記事にも似たようなことを書いてますねw
参考:情熱が持てない人に贈る「心底好きなもの」を探すためのレッスン 【第10回 #岡ブロ 】 | ブログのちから
もう1つの「情熱の源」
加えて、本書ではもう1つの「情熱の源」を示してくれています。
そして「目的」、すなわち人びとの幸福に貢献したいという意思も、やはり情熱の源だ。
これは、一見すると「自己啓発」的な発想のように感じるかも知れませんが、本書では生存本能によるものとしています。
人間は社会的な生き物であり、周りの人びととつながって互いに奉仕することも、やはり生存の確率を高める。
孤独な人よりも、周りの人びとと助け合う人のほうが生き残りやすい。
こちらも納得ですね。
最後に
本書では、他にも、
- 遺伝と才能の関係
- 興味の対象を見つけ、さらに興味を深めていくには
- 粘り強さはどうやって見に付けるのか
- 必死に努力する以前に、まずは楽しむことが大事
などなど、示唆に富む内容が満載で、
- 遺伝
- 才能
- 努力
- 継続力(情熱と粘り強さ)
- 目的と目標
など、一般的に成功の要因としてあげられるものを、科学的見地から紐解き、何が一番重要なのかを解説してくれています。
(その答えは、もちろん本書のタイトル通り「やり抜く力」ですけどねw)
「継続力が足りないなぁ」と思う方は一度手に取ってみてはいかがでしょう。
以上、参考になれば幸いです。
目次
[PART1]「やり抜く力(グリット)」とは何か? なぜそれが重要なのか?
第1章:「やり抜く力」の秘密 ーーーなぜ、彼らはそこまでがんばれるのか?
第2章:「才能」では成功できない ーーー「成功する者」と「失敗する者」を分けるもの
第3章:努力と才能の「達成の方程式」 ーーー一流の人がしている当たり前のこと
第4章:あなたには「やり抜く力」がどれだけあるか? ーーー「情熱」と「粘り強さ」がわかるテスト
第5章:「やり抜く力」は伸ばせる ーーー自分をつくる「遺伝子と経験のミックス」
[PART2]「やり抜く力」を内側から伸ばす
第6章:「興味」を結びつける ーーー情熱を抱き、没頭する技術
第7章:成功する「練習」の法則 ーーーやってもムダな方法、やっただけ成果の出る方法
第8章:「目的」を見出す ーーー鉄人は必ず「他者」を目的にする
第9章:この「希望」が背中を押す ーーー「もう一度立ち上がれる」考え方をつくる
[PART3]「やり抜く力」を外側から伸ばす
第10章:「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法 ーーー科学では「賢明な子育て」の答えは出ている
第11章:「課外活動」を絶対にすべし ーーー「1年以上継続」と「進歩経験」の衝撃的な効果
第12章:まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう ーーー人が大きく変わる「もっとも確実な条件」
第13章:最後に ーーー人生のマラソンで真に成功する