10月9日に岡山県玉野市で開催された「Hello Google 玉野で学ぼうGoogle検索」というセミナーに参加してきました。
講師はグーグル合同会社 エバンジェリスト の 金谷 武明 さん。
雑感としては、テーマが「Google 検索の基本」でしたので、SEO や Googleのアップデート情報を積極的に収集している人には、目新しい情報はほとんど無かったという印象したね。
主なトピックス
今回のセミナーはQ&Aなども含めると話題は多岐に渡りましたが、主なトピックスとしては次の3点でした。
- モバイルファーストインデックス(MFI)
- 新 Search Console
- HTTPS
※スピードアップデートも予定されていたようですが本編では触れられませんでした。
モバイルファーストインデックス(MFI)
1つ目のトピックスはモバイルファーストインデックス(MFI)。
モバイルファーストインデックスは、簡単に言えば、
- パソコン向けページ
- モバイル向けページ
の情報を収集した後、
- これまではPC向けページをインデックスに登録していた
- これからはモバイル向けページをインデックスに登録する
というアップデートです。
最近のブログで主流となっているレスポンシブウェブデザインなら特に対応する事は有りません。
とのことなので、これまでの認識で大丈夫なようですね。
目新しい情報としては、
PC向けページとモバイル向けページを別々に作成していて、canonicalタグを「PC>モバイル」にしている場合、canonicalとモバイルのアノテーションは変更しないで下さい。
という点ですね。
なお、モバイルファーストインデックス(MFI)については、次の記事にも記載していますので、詳しく知りたい方は合せてご参照ください。
参考:モバイルファーストインデックス(MFI)の影響とSEO対策 | ブログのちから
新しいGoogle Search Console
2つ目のトピックスは新しい Search Consoleについてです。
新しい Search Console は2018年1月にベータ版が公開されて順次利用できるようになっていましたよね。
公式:Google ウェブマスター向け公式ブログ: 新しい Search Console をご紹介します
その後、2018年9月には、正式版になりました。
(※ただし、まだ旧版から移行されていない機能もあります)
公式:Official Google Webmaster Central Blog: The new Search Console is graduating out of Beta ??
今回のセミナーでは、新しい Search Console の次の3つの機能について紹介がありました。
- 検索パフォーマンス
- インデックスカバレッジレポート
- URL検査ツール
検索パフォーマンス
検索パフォーマンスは、旧版の「検索アナリティクス」に相当しますが、大きな違いは、過去1年以上に遡ってデータが参照できる点ですね。
これは、前月比での比較より、前年比での比較の方が有用であるためとのことです。
また、昨今のGoogle検索のモバイル対応によって、PC検索とモバイル検索では、結果に大きく差が出ているものがあるため、PC・モバイルで分けて参照することを推奨されていました。
インデックスカバレッジレポート
インデックスカバレッジレポートは旧版の「インデックス ステータス」に近い内容ですが、Googleがクロールした情報のインデックス状況が解りやすくなっています。
具体的には次の点が特徴的ですね。
- インデックスに登録されているか確認できる
- クロールがいつされたかも解る
なお、各ステータスについては以下の通りだそうですので、エラーが見付かった場合は早急に対処した方が良さそうですね。
- エラー:致命的なので修正が必要。
- 除外:リダイレクトが主な要因。もし意図しないものがあったら修正が必要。
URL検査ツール
URL検査ツールはインデックスカバレッジレポートの内容を更に詳細に確認できるイメージですね。
公式の Search Console ヘルプによると、
Google のインデックスに登録されたページの情報が表示されます。
この情報には
- AMPエラー
- 構造化データに関するエラー
- インデックス登録での問題
などが含まれます。
とのことです。
公式:URL 検査ツール – Search Console ヘルプ
他に、ページがモバイルフレンドリーかどうかなども解りますが、メニューある「モバイル ユーザビリティ」という項目で全体のエラー状況が確認できるため、URL検査ツールで確認することは無さそうです。
HTTPS(常時SSL化)
3つ目のトピックスは「HTTPS」です。
HTTPS (Hypertext Transfer Protocol Secure) は、HTTPによる通信を安全に(セキュアに)行うためのプロトコルおよびURIスキームである。
~HTTPS – Wikipedia より引用~
HTTPS(常時SSL化)については、2018年7月からChromeに「保護されていない通信」が表示されるようになったことで話題となりました。
その後、2018年10月からは、「保護されていない通信」が赤色で表示される予定だそうです(これまでより更に警告を強化する方針ですね)。
ちなみに、HTTPS化の状況についてですが、Google 透明性レポート の中にある、ウェブ上での HTTPS 暗号化 ? Google 透明性レポート によると、日本での対応状況はまだまだ(2018年10月6日 時点で70%)なようです。
なお、HTTPSについては、Q&Aで次の質問が挙がってました。
HTTPSが一部のみ対応されている場合でも全体の評価は低くなるのか?
これに対する回答は、
HTTPSは、ページ単位の判定です。
でした(まぁそうですよね)。
なお、セミナー中で金谷さんが、
HTTPSはランキングには影響しない。
と言われていたのが気になりました。
2014年8月7日に、ウェブマスター向け公式ブログで「HTTPS をランキング シグナルに使用する」という発表があり、その後撤回されたとの情報も無かったので、ランキング要因になっているという認識だったんですが、真相はどうなんでしょうね?
まぁ、元々の公式発表でも以下の内容だったので気にするほど影響は無いという事かも知れませんが。
全体的に見ると、このシグナルは良質なコンテンツであるといった、その他のシグナルほどウェイトは大きくありません。
公式:Google ウェブマスター向け公式ブログ: HTTPS をランキング シグナルに使用します
HTTPSについては、ユーザーの安全性の観点できちんと取り組みましょうという認識で良いと思います。
スピードアップデート
スピードアップデートについては残念ながら本編では触れられませんでしたが、Q&Aで質問が挙がっていました。
質問内容は次の通りです。
「表示速度の目安」について、Pagespeed Insightsで何点くらいを目指せば良いのか?
それに対する金谷さんの回答は以下。
何点ならOKというのはない。fastになってればいいんじゃない?
スピードアップデートは
- 2018年7月に導入
- モバイル検索においてページ速度をランキング要因に使う
- ものすごく遅いページだけに影響(ペナルティ)
というアップデートですので、まぁそういう回答になりますよねw
その他のトピックス
その他、以下の様なトピックスも話に挙がっていました。
- hreflangタグの紹介(多言語対応の際に利用)
- Googleが目指すクエリの理解
Google はユーザーが探していると思われるものを、探しているものと一致すると思われる順番で表示する。
ユーザーは同じキーワードで検索したとしても、時間や場所、デバイスで意図が変わる。
Googleはそれを理解して結果を返そうとしている。
とのこと。例えば次の様なイメージだそうです。
- 夜7時に岡山駅でスマホで「ラーメン」を検索する人 → すぐ食べたい
- 夜11時に自宅のPCで「ラーメン」を検索する人 → 今度食べたい
他にもQ&Aでは、
- 更新頻度とランキング
A:数年単位で更新されてないといったレベルでなければ、そこまで更新頻度を気にする必要はない。 - 同義語の取扱い
A:メジャーな同義語でも調整が行われているもの、調整されてないものはある。
「岡山 ランチ」「ランチ 岡山」を記事中に散りばめるのではなく、とにかく良質なコンテンツを作りましょう。
といったトピックスが挙がっていました。
最後に
以上のようにトピックスとしては、(マニアにとってはw)目新しい情報はほとんど無かったわけですが、気付きはありました。
昨日のGoogleセミナー in 玉野。
目新しい情報は無かったのに気付きを得られて思ったのは、
情報の見せ方が大事
ってことかな(*´ω`*)
— T.村上@🇵🇭海外事業マネージャー (@SY_SI_Murakami) 2018年10月6日
金谷さんは、まず全ての根底に「Googleの使命」があり、Googleの製品は全て、このミッションに基づいていることを紹介されていました。
次に、Googleの考える「完璧な検索エンジン」を示されました。
(Google会社情報より)
そして、SEOの考え方や検索エンジンのシステムを紹介されていました。
- ユーザーのために良いコンテンツを作りましょう
- そしてそれをGoogleに伝えましょう(Search Consoleで確認しましょう)
- モバイルに取り組みましょう
要するに、Googleにも目指す未来があって、その課程としての今がある、ということ。
今回のセミナーで挙げたトピックスが、その中のどの位置付けなのかをちゃんと意識させる構成でした。
SEOというと、「今」と「検索結果で上位表示」に終始してしまいがちですが、Googleは大きなストリームの中でアップデートしていく訳ですから、Googleの目指す「未来像」を意識しておくことが重要だと感じた次第です。
以上、参考になれば幸いです。