「スピードアップデート」は、2018年7月初頭に導入されたアルゴリズムの更新で「ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素として使用する」というものです。
参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ: ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します
ちゃんと対策されてないサイトはペナルティを受けることもあるそうなので、きっちりと対策しておきたいですよね。
というわけで今日は、スピードアップデートと対策についてシェアしたいと思います。
スピードアップデートとは
前述の通り、スピードアップデートはモバイルページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要因として使用するというアップデートです。
要するに、アップデートの前後で検索順位のランキング要因を次の様に変更したということです。
- アップデート前:パソコンでの検索には、表示速度を順位付けに使っていた。
- アップデート後:スマホでの検索でも、表示速度を順位付けに使う。
なお、グーグル合同会社 エバンジェリスト の 金谷 武明 さん によると、以下のような特徴があるそうです。
Speed Update についての補足です。
1)アナウンスしている通り「ユーザーに本当に遅い体験を提供しているようなページについてのみ影響し」ます。
2)それは遅さに応じて段階的に適用されます
3)今月ローンチ予定です。
もしすでに十分速いサイトの場合、改善しても特に何も変化は起きません。 https://t.co/JcReDliMGw— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2018年7月3日
ポイントは次の3点ですね。
- 本当に遅いページだけに影響する
- 遅さに応じて段階的に適用される
- 十分速い場合、改善しても特に影響はない
スピードアップデートの実施時期
なお、スピードアップデートの実施時期は、冒頭でもお伝えした通り、2018年7月です。
前述のウェブマスター公式ブログには以下の追記がありますので、ほぼ同時期に世界的に導入されたようですね。
2018/7/9 追記
すべてのユーザーを対象に Speed Update のロールアウトを開始しました。
スピードアップデートのランキングへの影響
気になるスピードアップデートの影響ですが、公式発表としては、
- 非常に遅いページだけに影響する。
- ランキングを引き下げる要因になる。
というものです。
ただ、
- 「非常に遅い」とは、どれくらいの速度を指すのか?
- 「非常に遅い」とは、どの指標が対象なのか?
(ファーストビューの表示なのか、全体の表示完了なのか)
など、よく解らない点もあります。
いずれにしても、対策としては「十分な表示スピードを確保する」ですね。
10月9日に岡山県玉野市で開催された「Hello Google 玉野で学ぼうGoogle検索」という、金谷さんが講師を務められたセミナーの中で、スピードアップデートに関する質問が上がっていました。
Q:『表示速度の目安』について、Pagespeed Insightsで何点くらいを目指せば良いのか?
A:何点ならOKというのはない。fastになってればいいんじゃない?
とのことですので、その辺りを目安に速度改善していけば良さそうですね。
スピードアップデート対策は表示速度の確認から
では、具体的にスピードアップデートではどんな対策をとれば良いのでしょう?
スピードアップデートは、表示速度が遅いページの検索順位を下げるペナルティがあるので、まずは、表示速度を計測するところからですね。
ポイントは、ページ単位で表示速度の確認を実施する点です。
確認する方法を見て行きましょう。
※本稿ではパソコンでの作業を想定しています。
表示速度順で一覧表示(Googleアナリティクス)
まずは、Googleアナリティクスを使って、表示速度が遅そうなページに当りをつけると作業が捗ります。
画像の様に、
- メニューの [行動] をクリック
- [サイトの速度] をクリック
- [速度についての提案] をクリック
と順にたどって行くと、各ページの「平均読み込み時間」が一覧で表示されます。
次に、一覧にある[平均読み込み時間(秒)]をクリックすると、表示速度が遅い順に並びます。
以上で表示速度が遅い(可能性がある)ページが解りますので、ここからは更に表示速度を詳しく調べられるツールで確認していきましょう。
PageSpeed Insight による計測
まずは表示速度の計測ツールとして有名な「PageSpeed Insight」で計測してみましょう。
といっても既に、Googleアナリティクスで「平均読み込み時間(秒)が遅い順」の一覧を表示してますよね。
この一覧にある「PageSpeed の提案」のリンクをクリックすれば、そのまま「PageSpeed Insight」で計測が始まります。
PageSpeed Insight の計測結果
例えば、次のケースの様に PageSpeed insight の計測結果が Average の場合はもう少し表示速度の改善を実施した方が良さそうですね。
ここが Fast となっていれば概ね問題無いと考えて良いでしょう。
PageSpeed Insight で計測結果が Unavailable になる場合
場合によっては PageSpeed insight の計測結果が 「Unavailable」になっていることもあると思います(結構多い)。
原因は下記の通りで、要はChromeで計測された速度データが少ないということなので、その時は別のツールを利用しましょう。
速度のデータが表示されない URL があるのはなぜですか?
PSI ではChrome ユーザー エクスペリエンス レポートのデータを使用しており、Google のウェブクローラが認識している代表的な URL について速度のデータが表示されます。ただし、速度のデータがない URL であっても、PSI でページの最適化に関する分析をすることは可能です。
Google Test my site による計測
PageSpeed insight の計測結果が 「Unavailable」になった、あるいは、モバイルの表示速度も調べておきたいという場合。
Google が「Google Test my site」という、モバイル端末で「3G回線で閲覧した時」のページの表示速度を測定するツールを用意してくれていますので、こちらを使いましょう。
こちらのページにアクセスし、表示速度を調べたいページのURLを入力すると次の3つのレポートを見ることができます。
- 3G回線での表示速度と表示中の離脱率(推定)
画像のケースの場合、表示速度は 約 4秒で、ページが表示される前に10%が離脱していると考えられるということですね。 - 同じ業種内の比較
画像のケースの場合、同じ業種内では表示速度は速めのようです。
ただし、何をもって同業種としているのかは不明です。 - 対策による改善時間
指摘事項を修正した場合に表示速度がどれくらい改善できそうかということです。
画像のケースの場合、まだまだ改善の余地はありそうですね。 - テスト結果の詳しいレポート
改善点などのレポートが見たい場合はメールアドレスを入力して、送信ボタンを押して下さい。
(※レポートが届くのに少し時間がかかります)
スピードアップデートの対策という意味では、同業種内で平均以上であれば問題無いと考えて良さそうですね。
ただし、表示中の離脱率の問題もありますので、可能な限り対応しておいた方が良いのは間違い有りません。
(ユーザー体験の観点で。)
Lighthouse(Google公式ツール)
表示速度を調べるもう1つの方法として、Google Chromeをお使いの場合は「Lighthouse」というGoogleの公式のチェックツールを使う方法もあります。
お使いの Google Chrome が「バージョン 60」以降であれば、Lighthouse はデベロッパーツールに組み込まれています。
ただし、全て英語表記なので英語が苦手な場合は、拡張機能を使うのがお勧めです。
(チェック結果のレポートがWebページとして開くため、翻訳機能が使えます)
Lighthouseは、表示速度だけでなく様々な要素をチェックできる優秀なツールですので、一度お試し下さい。
Lighthouse はシークレットウィンドウで実行すること
Lighthouse は次の要因で正しく計測できないことがあります。
- 他の拡張機能
- WordPressのログインバー
- その他
Lighthouse で正確に☑するためには、シークレットウィンドウで実行して下さい。
最後に
以上の通り、スピードアップデートは本当に遅いサイトだけが影響を受けるアップデートなので、過敏に対策する必要は無いでしょう。
アップデート対策としては、ですが。
というのも「Google Test my site」の計測結果でご覧頂いたように、表示速度が遅いせいでページが表示される前に離脱してしまう訪問者もいますよね。
表示速度はユーザー体験を損なうものですので「訪問者のために速度改善する」というのが本筋だと思います。
また、表示速度が全体的に改善されて行けば、当然ですがGoogleが求めるレベルを上げてくる可能性もありますしね。
とはいえ、どこまで速度対策に時間をかけるかは悩みどころですが。
以上、参考になれば幸いです。