キーワード選定方法も今回で5回目となりますね。
ここまでの連載を通じて、検索エンジンの本質について触れると共に、キーワード調査ツールの特性と活用ポイントについて解説してきました。
ここまでの連載を、まだご覧頂いて無いという場合は、下記を参照下さい。
それでは今回は、前回の予告通り「検索キーワードの意味」に触れると共に、キーワード選定時の3つの問題についてシェアしたいと思います。
検索キーワードの持つ意味:属性
まずは「検索キーワードの持つ意味」について見てみましょう。
これは色々なサイトで言われている事ですが、
検索キーワードには訪問者のニーズや意図が込められている
という事。これが基本となります。
例えば、一般的なキーワード構成と訪問者の意図を表にすると以下の様なイメージですね。
キーワード | 訪問者の意図 |
---|---|
○○ + とは | ○○についての意味を知りたい。初めてその言葉を聞いたというレベル。 |
○○ + 比較/おすすめ | ○○について利用を検討しているが具体的には絞り込めてない状態。 |
○○ + レビュー/評判 | ○○についての使用感を知りたい。ここの段階までくると○○は具体的な商品名やサービス名に変わってくる事が多い。 |
○○ + 価格/安い | ○○について購入を検討している。なるべく安く手に入れたいと思っている。 |
○○ + 設定/使い方 | ○○の利用者。利用を始めたが使い方が良く解っていないレベル。 |
○○ + 活用法 | ○○利用者。もっと使いこなしたいと思っている。 |
○○ + △△できない | ○○利用者。トラブルで困っている。 |
逆に言えば、キーワードを選ぶという事は、上表のどんな層に訪問して欲しいのかという我々の考えが反映されるとも言えますよね。
言い換えれば、
キーワード選定とは我々の意図を反映するためのモノでもある
という事です。
逆にキーワード選定をしないという事が明確な意図を込めずにコンテンツを作っているとも言えますよね。
キーワード選定時の2つの問題
ところが。
- 検索キーワードには訪問者のニーズや意図が込められている
- キーワード選定とは我々の意図を反映するためのモノでもある。
これ自体は理論上、正しい話なんですが、ここにはちょっとした問題が内在しています。
第1の問題:意図が汲めないキーワード達
最初の問題は意図が汲めないキーワードが存在するという事。
例えば、これ。
「OK Google」や「Google Keep」といった商品名やサービス名単体のキーワードですが、意味を知りたいのか、使い方が知りたいのか。。。その意図は全く汲み取れませんよねw
実は、ウェブサービスを開く度に毎回検索エンジンで検索しているという事も考えられますしね。
全てのユーザーが適切なキーワードで検索する訳ではない
もう1つの問題は、検索キーワードには訪問者のニーズや意図が込められているのは確かなんですが、全てのユーザーが、その意図に見合ったキーワードで検索する訳ではないという点です。
これは前述の例とも関連しますが、例えば、訪問者が「OK Googleの使い方」を知りたいと思っていても、とりあえず「OK Google」で検索するといった事が普通に起っているという事です。
その中で僕達に出来る事
この様に、
- 意図が汲めないキーワード
- 意図に見合ったキーワードで検索しないユーザー
が存在する中で僕達コンテンツ提供側が出来る事は、やはり、
- 我々の意図を反映したキーワードを選ぶ
- 記事タイトルにも、その意図が明確に現れるように工夫する
ことで、訪問して欲しい層に遡及するしかありません。
加えて、より広い層にアプローチしたいのであれば、訪問者が辿るであろうストーリーを汲んで事前にキーワードを配置しておくという事も可能です。
これについては次項でもう少し詳しく見ておきましょう。
検索ユーザーのストーリーとは
検索ユーザーのストーリーとは何でしょう。
例えば、「デジタル一眼レフ」を例に取ってみると、
キーワード | 訪問者の意図 |
---|---|
デジタル一眼レフ + とは | デジタル一眼レフの意味を知りたい。初めてその言葉を聞いたというレベル。 |
デジタル一眼レフ + 比較/おすすめ | 購入を検討しているが具体的な機種は絞り込めてない。 |
d5300 + レビュー/評判 | 具体的な機種の使用感を知りたい。 |
d5300 + 価格/安い | 具体的な機種の購入を検討しているが、なるべく安く手に入れたいと思っている。 |
d5300 + 設定/使い方 | 具体的な機種を使い始めたが、使い方が良く解っていないレベル。 |
d5300 + 活用法 | もっと活用する方法を調べている |
(デジタル一眼レフの場合は他にも、メモリーカード、レンズ、保護フィルムといった周辺機器に派生して行きますね)
といった感じで、上から順に検索ユーザーがステップアップしているのが解りますよね。
これが検索ユーザーのストーリー(ここでは、未入手から入手、初心者から熟練へと辿るパターン)です。
この他にも、
- d5300 + ライブビュー + 遅い
- d5300 + ピント + 合わない
といったトラブル関連のキーワードも見られます。
勝算を上げるには
以上を踏まえて、自分のサイトではどこまでをカバーするのかを考えて行く事になりますが、先ほど示した2つの問題に対する対策としてより勝算が高い方法は、
サジェスト機能に従う
です。
なぜか。
これは、検索ユーザーが思うような答えが得られなかった時の選択肢として、
- 再度、意図に見合うキーワードを入力する
- サジェスト機能で提案されたキーワードから選ぶ
の2つがあると考えた場合、提案されたキーワードから選ぶ方が労力が少ないためです。
(もちろん、諦めるという選択肢もありますがw)
3つ目の問題:同義語
上記2つの問題とは少し性質の違う問題が存在しますので、そちらについても補足しておきますね。
その問題が、
同義語
です。
最近の検索エンジンは、同義語の認識率の向上やスペルの補正機能など、機能向上には目覚ましいモノがあるとはいえ、まだまだ同義語が完全に同一のモノと識別される訳ではありません。
例えば、
- 「Google Analytics」 と 「Google アナリティクス」の様な英語・カタカナの揺れ
- 「スマホ 遅い」 と 「スマホ 重い」の様な表現の揺れ
- 「はてなブックマーク」 と 「はてブ」の様な正式名称と略称の揺れ
などは別物として扱われていますよね。
この対策については、僕自身も、
- 記事中にどちらも盛り込んでみる
- リンクのアンカーテキストで調整してみる
など、色々な方法を試してみては結果を解析してきましたが、結局は最も検索ボリュームが大きいキーワードを選択しておくのが無難なようですw
(どの方法も多少の効果はありますので、解析マニアな方は是非お試しくださいw)
最後に
以上、内容が随分「キーワード選定時の3つの問題」寄りになってしまいましたが、いかがだったでしょう?
本稿で最も重要なポイントは、「検索キーワードには訪問者のニーズや意図が込められている」と同時に「キーワード選定とは我々の意図を反映するためのモノでもある」という点です。
(記述量的にはアレですがw)
訪問者の意図と我々コンテンツ提供側の意図がマッチした時に、クリック率が最も高くなりますし、記事の精読率やその後の回遊性にも影響してくると思っています。
もちろん、
- 単にPVを稼ぎたいのか
- モノを売りたいのか
- リピートして欲しいのか
によってカバーすべきキーワードは変わってきますので、その辺りも意識してキーワードを選定して頂ければと思います。
以上、参考になれば幸いです。
次回予告!
次回は、最終章として「キーワード調査は本当に必要なのか?」についてお伝えしたいと思います。
何とも物議をかもしそうなタイトルですねw
といっても、次回をご覧頂ければ「なるほど!」と思って頂けると思いますので、お楽しみに!
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